2019年9月に光明寺で行われた秋の彼岸法要。今年の参列者は総代のみとなる見込みだ(長岡京市粟生)

2019年9月に光明寺で行われた秋の彼岸法要。今年の参列者は総代のみとなる見込みだ(長岡京市粟生)

今年の彼岸法要を営む庭先に立つ池口住職(京都市下京区・龍岸寺)

今年の彼岸法要を営む庭先に立つ池口住職(京都市下京区・龍岸寺)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、17日には彼岸の入りを迎えた。毎年、彼岸には多くの寺で檀信徒が集まり法要が営まれるが、今年はウイルス対策で密閉空間での多人数参加の集会は避けるよう求められている。京都府内の寺院に法要について尋ねると、僧侶だけで営むケースや、配慮の上で例年通り実施する寺や新たな形式の法要を試みるなど、住職たちが悩む様子が浮かび上がる。


 彼岸は春と秋の年2回、各7日間ある仏事の期間。今年は20日の「春分の日」を中心に全国の寺院で法要が営まれる。一方、新型コロナウイルス対策として厚生労働省の専門家会議は、換気の悪い密閉空間▽多くの人が密集▽近距離での会話-の3条件がそろう場所を避けるよう求めている。
 浄土宗大本山の百万遍知恩寺(左京区)は16日の春季彼岸会を中止した。法要自体は僧侶のみで営んだという。臨済宗東福寺派大本山の東福寺(東山区)も20日実施予定の彼岸会を中止すると、ホームページで発表している。
 西山浄土宗総本山の光明寺(長岡京市)は法要を縮小して営む。例年は50人程度が参列するが、寺でできるウイルス対策に限度があることから、参拝は総代の3人のみとなる見込みだ。
 高野山真言宗の法乗院(左京区)は彼岸会の法要を僧侶のみで営むことにした。檀信徒にも連絡したといい、岡田翔廣住職(72)は「分かりましたという反応が多く、理解してもらえているようだ」と話す。
 一方、対策を施しながら例年通りの法要に臨む寺もある。真言宗泉涌寺派の今熊野観音寺(東山区)は例年なら法要には約40分掛けるが、感染のリスクを避けるためなるべく短くする予定だ。法要終了後に境内で行っていた食事の提供は取りやめ、自宅に持ち帰ってもらうようにする。
 真宗大谷派の円光寺(左京区)は法要に際し、備蓄しているマスクを参拝者に配り、お堂の入り口で手をアルコール消毒してもらう。樋口浩史住職(59)は「通気などに配慮しながら法要を行いたい」と語る。
 また、新たな法要の形態を試みる寺もある。浄土宗の龍岸寺(下京区)は従来、閉め切られた本堂に檀信徒が集まり、法要に臨んでいた。しかし今年は本堂南側の庭先に祭壇を特設し、庭に椅子を並べて法要を実施することにした。
 池口龍法住職(39)は「檀家総代たちと話し合って決定した。中止すべきとの意見もあったが、伝統ある法要にお参りしたいという声もあった。今までにない形式での法要に挑むことにした」とウイルス禍を逆手に取ろうとする心境を語った。