センター方式での施設用地に決まっていた町の公有地の町体育館第二駐車場(京都府大山崎町円明寺)

センター方式での施設用地に決まっていた町の公有地の町体育館第二駐車場(京都府大山崎町円明寺)

 京都府大山崎町の中学校給食の施設整備が暗礁に乗り上げている。3小中学校の運営を「自校調理方式」としたい前川光町長と、校外の施設で調理・配送をする「センター方式」で進めたいとする議会との対立が続き、妥協点すら見いだせない。町は2020年度中としていた給食の導入を1年遅らせて21年度としているが、その見通しも立たないまま。両者の決められない姿勢に、児童生徒、保護者らは「いいかげんにして」といらだちを募らせる。

 京都府の乙訓2市1町の公立中学校で給食を導入していないのは大山崎町だけだ。大山崎中の生徒や今春入学する子どもの保護者たちから町政への失望感や嘆き、不満の声が聞かれる。「中学校給食に期待していた分、残念」「自校でもセンターでもどちらかに決めるのに時間が掛かりすぎ」「4月から給食が始まるつもりで期待していたのに」「公約が果たされると思っていたのに」
 給食を巡る町と議会の対立は、18年12月に就任した前川町長と町議会で多数派の野党議員との間で1年4カ月以上続いている。
 きっかけは前町長が19年度着工に向けてセンター方式での給食施設の建設を進めていた方針を、前川町長が就任初日に公約としていた自校方式に転換し、センター方式で執行していた関連予算2700万円をふいにしたことだ。
 前川町長は、19年度の当初予算案で自校方式に向けた関連予算を盛り込んだが、その予算を削除した修正案が議員提案され、可決された。前川町長は予算案を事実上否決されたが、3小中学校の自校方式を譲らず、「説明を重ねて理解を求める」との姿勢を崩していない。
 中学校給食の施設整備の余波は2小学校にも及ぶ。現在、自校方式で老朽化している2小学校の給食施設は文部科学省の「学校給食衛生管理基準」に適合していない。町は施設の整備を急ぎたいとしているが、野党議員から「提案されている整備案は論外。将来負担を考えていない」などと強い反発を受け、議論はいっこうにかみ合っていない。19年度は、一般会計予算案で小中学校の給食施設の実施計画費を提案し、相次いで否決されるケースが続く。
 このため、町は20年度当初予算案に3小中学校の給食関連費を盛り込まず、3月定例会の予算決算委員会で、2小学校の施設改修の実施設計案を協議している。新年度以降に整備計画の方向性を示し、一般会計補正予算案に追加するという。
 遅々として進まない学校給食施設の整備計画。前川町長と野党議員が繰り広げる批判の応酬で、生徒と保護者が犠牲になっている。だれのための給食なのか。いま一度、考えてほしい。