コツッ、コツッと白いつえの先で点字ブロックを探り、凸凹を足裏で確かめながらの歩行は、さぞかし難儀に違いない。混み合う駅構内や街中の歩道で、目の不自由な人が危うくぶつかりそうになる場面に、ひやっとすることが少なくない▼動線となるブロック上に立ち止まったり荷物を置いたりする人、歩きスマホに熱中する人…。バリアー(障壁)だらけといっても過言でない▼きょうは「点字ブロックの日」。岡山県の発明家が友人の失明をきっかけに考案し、1967年3月、県立盲学校近くの国道の横断歩道に初めて敷設されたのにちなむ▼正式には「視覚障害者誘導用ブロック」といい、京都や大阪から徐々に全国に広まり、その後、突起の形や寸法は日本産業規格(JIS)で統一された。今では日本だけでなく、世界の多くの国で導入されているという優れものだ▼点字ブロックは半世紀を経て、日常の光景に溶け込んだ感があるが、失明した人らの「命綱」という認識が薄れがちなのが残念である。ホームのブロック上の荷物を避けて線路に落ちた事故なども報告されている▼東京五輪・パラリンピックに向け、互いに尊重し支え合う共生社会への機運が高まる。障害に伴う苦労を思いやり、行動を妨げるバリアーを除くことがその一歩となる。