日米欧が、束になってかかっても、猛威の影響を抑えるのは難しいようだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって混乱する世界経済と金融市場を立て直そうと、各国の中央銀行が協調して、追加の金融緩和策を打ち出した。

 ところが、これが発表された直後の16日に、日米欧の株価は大きく下落した。

 米国株は、前週末比の下げ幅が過去最大を更新し、取引の一時停止が生じた。

 金融市場の混乱を何とか収めてほしかっただけに、同日、緩和の効果が、ほとんどみられなかったのは、極めて残念である。

 米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は、今月3日の利下げから間を置かず、1%にも及ぶ緊急追加利下げを決定した。事実上、4年3カ月ぶりにゼロ金利政策に復帰した。

 併せて、米国債や住宅ローン担保証券を購入する量的緩和策にも取り組むとする。

 日銀は、多くの株式を組み合わせた上場投資信託(ETF)の購入枠を、現行の年間約6兆円から約12兆円に倍増して、日経平均株価の下支えを狙う。企業の資金繰り支援策も実施する。

 日米に欧州などを交えた6中央銀行は協調し、金融市場へのドル資金供給を拡充するという。先進7カ国(G7)首脳は、緊急テレビ電話会談を開き、力強い経済成長回復に向けて協力し合う、と表明した。

 新型コロナのリスクを重大と捉え、これだけの対応を集中させたのに、市場が反応しないのは、どうしたことか。

 世界経済を停滞させているのは資金不足ではなく、感染拡大に伴うイベントや集会の中止、人の移動制限などによる消費の減退である。各国の生産活動を支えるサプライチェーン(部品の供給・調達網)も寸断された。

 こうした停滞の要因を、利下げなどの金融緩和策では、うまく除くことができなかったといえる。

 各国政府の財政出動と連動しながら、これ以上、消費と投資のマインドを冷やさない対応を求めたい。

 日銀は、金融機関の収益悪化に配慮して、すでに導入しているマイナス金利の深掘りを避けたとみられる。その結果、米国の利下げで日米の金利差が縮まったので、輸出を減らす円高圧力にも注意が必要だ。

 資金繰り支援策では、社債の購入額を増やす。これによって、企業の倒産を防いでもらいたい。