高齢容疑者と介助する警察官の役に分かれ、おむつ交換の手順を学ぶ東山署員ら(京都市東山区・東山署)

高齢容疑者と介助する警察官の役に分かれ、おむつ交換の手順を学ぶ東山署員ら(京都市東山区・東山署)

 留置施設に収容される容疑者が高齢化しているのに合わせ、京都府警が、介護技能に優れた警察官の育成を始めた。介護福祉士の資格を有する職員を「アドバイザー」に任命し、入浴介助やおむつ交換の仕方などの実技を指導。府警は「留置担当者には専門的な介護技術が必要な時代。高齢容疑者の適正な処遇につなげたい」としている。

 府警が昨年逮捕し、留置施設に収容した65歳以上の高齢容疑者は270人だった。全体に占める割合は12%で、10年前から5・5ポイント増えた。歩行や入浴、おむつ交換などの介助が必要な容疑者も多いが、留置施設を担当する職員の大半は介護経験がなく、「おむつ交換に時間が掛かり、大人数で苦労しながら入浴介助をしている」(府警留置管理課)という。
 こうした現状を受け、府警も対策に乗り出した。2月には、介護福祉士の資格を持ち、東山署で留置管理を担当する男性巡査部長(38)を「介護アドバイザー」に任命。巡査部長は介護老人保健施設で8年間の勤務経験があり、介護に不慣れな職員らを対象に年数回、実技指導してもらうことにした。
 2月25日には東山署で初の研修を開催。参加した19人に「膝を持つと、少ない力で体を動かしやすい」「おむつのギャザーを立てると尿漏れしにくい」と助言した。巡査部長は「介護の必要度に応じた実践的な技術を伝えたい。誰が対応しても同じレベルの介助ができることを目指す」と話す。
 高齢化する容疑者への対応は全国的な課題で、警視庁と広島県警は2018年までにバリアフリー化した要介護者の専用留置室を新設した。府警も2月、要介護者を優先的に留置するモデル施設として、エレベーターなどを備える東山署を指定した。
 留置管理課の魚住友記次席は「ヘルパー資格を持つ職員も増やすなどし、高齢化社会に対応した留置環境を整備していきたい」としている。