若冲45歳の作品「四季花鳥押絵貼図屏風」。墨の濃淡や筆の勢いが鮮やかで迫力がある(19日、京都市右京区・福田美術館)

若冲45歳の作品「四季花鳥押絵貼図屏風」。墨の濃淡や筆の勢いが鮮やかで迫力がある(19日、京都市右京区・福田美術館)

 奇想の画家として知られ、江戸時代中期に京都で活躍した江戸時代の画家・伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716~1800年)の生涯に迫る福田美術館(京都市右京区)の特別展「若冲誕生―葛藤(かっとう)の向こうがわ」(京都新聞など主催)が28日から始まる。若冲が何を学び、どんな時代を生きたかに着目しながら、画業全体をひもとく。
 展覧会は20日からの予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため延期されていた。19日に内覧会があった。
 若冲は40歳で京都の錦市場にあった家業の青物問屋当主を退き、専業画家となった。初公開の「蕪(かぶ)に双鶏図」は30代で描いたとされる。家業に従事していた時期だが、鶏の羽毛の緻密さや枯れた葉の描き方に若冲らしさが表れる。
 「四季花鳥押絵貼図屏風(しきかちょうおしえばりずびょうぶ)」は専業画家となって数年後の作品だが、力のみなぎる筆致やダイナミックな構図は高い完成度を示し、重ねた研さんの深さを感じさせる。
 この時代は円山応挙、曽我蕭(しょう)白、池大雅ら絵画史を代表する画家が並び立ち、互いに影響を与え合った。これら同時代画家の作品も展示し、若冲活躍の環境を伝える。「寒山拾得(かんざんじっとく)図」など共通した画題には、各自の個性とおおらかな時代性の両方が感じられる。
 若冲筆の約50点を含む約90点の作品を展示する(展示替えあり)。6月21日まで、有料。