臨時休校している全国の学校は4月に新学期を迎えられるのか。

 新型コロナウイルス対策を検討している政府の専門家会議がきのう、新たな見解をまとめた。

 現状について、一部地域で感染拡大が続いているとして爆発的な流行の可能性を懸念しながらも、感染が確認されない地域では休校を解除してもよいとした。

 萩生田光一文部科学相も、この見解をふまえ、学校を再開する目安を週明け早々にも示すという。

 地域によっては、元通りの学校生活が再開できることになる。

 安倍晋三首相による突然の休校要請は、全国の学校や子どもを抱える家庭に混乱を生じさせた。

 休校解除の目安が示されれば、学校に行けなくなった子どもやその保護者には朗報となろう。

 ただ、専門家会議は、都市部を中心にどこで感染したのか分からない人が増えている地域もあると指摘し、防止のためにクラスター(感染者の集団)を小規模に抑える必要があるとしている。

 国内の感染状況はまだら模様で地域差があるということだろう。

 こうした中で、何を根拠に学校再開の是非を決めるのか。その実質的な判断を下すことになる自治体は重い責任を負うことになる。

 政府は情報提供などで自治体と十分に連携・協力してほしい。

 そもそも、政府の休校要請には矛盾も指摘されている。児童らが長時間集まる感染リスクを防ぐためとしながら、より密集度が高いとされる放課後学童クラブや保育所を休業の対象外としたことだ。

 その理由について説得力ある説明はなされていない。全国の学校に一斉休校を求めたことが適切だったかどうかも含め、改めて問い直さなくてはならない。

 学校再開の目安を示すにあたっては、一斉休校の要請が感染防止にどのような効果をもたらしたかを検証し、国民にしっかりと説明する必要がある。それなくして、休校を続けざるを得ない学校の児童生徒や保護者から理解を得ることは難しいだろう。

 感染の終息にはなお時間がかかりそうだ。仮に休校が長期化すれば、学習が遅れ、再開した学校の子どもたちとの間に格差が生じる恐れがある。

 教育を受ける権利の侵害にもつながりかねない問題だ。

 休校に伴う課題について「政府の責任で対応する」とした安倍政権である。学校再開が遅れる場合も想定した対応策を練っておくのは当然のことだ。