父の川村晃司選手と話す峻輝さん(左)=京都府向日市・京都向日町競輪場

父の川村晃司選手と話す峻輝さん(左)=京都府向日市・京都向日町競輪場

競輪選手の練習に参加する峻輝さん(右)

競輪選手の練習に参加する峻輝さん(右)

 競輪選手の父の背中を追って、自転車競技を始めた京都府長岡京市の若者が今春、強豪の早稲田大へ進学する。届かなかった日本一の夢をかなえるため、父への尊敬と感謝の思いを抱き、巣立ちの春を迎える。

 通算444勝している川村晃司選手(43)=日本競輪選手会京都支部=の長男、峻輝さん(18)=長岡京市下海印寺。競輪の迫力あるレースと、テレビに映る父の活躍は心の片隅にいつもあった。幼少期から続けていた陸上を中学でやめ、名門・北桑田高(京都市右京区)の自転車競技部へ入部した。
 自転車とは毎日向き合った。取り組んでいる練習の意味は。何が課題か。体をどう使えばいいのか。「努力をすれば伸びる競技。日本一になるチャンスもある。いつも考えて練習をしろ」という父のの言葉を、峻輝さんは繰り返し自分に言い聞かせた。
 長期休暇中は、京都向日町競輪場(向日市寺戸町)で、川村選手らプロの練習に混ぜてもらった。爆発的な加速力や力を持続できるようにするための筋肉の使い方、競技への姿勢。すべてが糧となった。息子の姿は、父の張り合いにもなる。川村選手は「弱い姿を見せられないし、まだまだ頑張らないといけないと思います」と笑う。
 峻輝さんは2年で全国高校総体(インターハイ)の自転車ケイリンで2位に入るなど力を順調に伸ばした。迎えた高校生活最後の1年は、インターハイも国体も頂点に届かなかった。「無念を晴らす」ため、早稲田大へ進む。
 2月末で高校を卒業し、現在は実家に戻って父と練習を続ける。「絶対に勝ってやるぞと思って走っても、改めてスピードの違いを感じる」。3年間で距離が縮まったはずの背中は、まだ遠い。直接言ったことはないけれど、父を尊敬している。一緒に走れるのもあとわずか。古里を離れる今、誓うことがある。「日本一になった姿を見せる」