マスク不足の対応に追われている京都大医学部付属病院(京都市左京区)

マスク不足の対応に追われている京都大医学部付属病院(京都市左京区)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、京都の病院がマスク不足への対応に追われている。感染リスクが高い病院では通常、医師や看護師らが一日に何度もマスクを交換するが、現在は支給数の制限や節約の呼び掛けをしている。京都大医学部付属病院(京都市左京区)では使用数が原則として1週間1枚になっている。京都市内の病院関係者からは「マスクを確保できる見込みは立っていない」と不安の声が漏れる。

 「1週間に1枚しか使えないなんて衛生上あり得ない」。京大病院に勤める女性医師は訴える。普段は診察や手術のたびにマスクを交換していた。だがマスクの確保が不安定になったとして、2月に医師や看護師らに対し1人当たり1日1枚の使用とする旨が病院から通知された。3月6日には原則として1週間1枚の使用制限が伝えられたという。
 感染制御の専門知識を持つこの医師は「マスクのフィルター機能が損なわれるので1日1枚が限度」と指摘。新型コロナウイルス以外にもさまざまな感染症のリスクに対処する上で、現状のマスクの支給態勢に懸念を示す。「マスク不足への不安は現場から伝えていた。病院側は対応が遅かった」と話す。
 京大病院によると、通常は週に計2万枚を院内で支給していたが、3月の使用制限開始時に在庫は4万枚になっていた。その後、マスクの納入が進み17日時点は10万枚に回復している。1週間1枚の使用に伴う衛生上の懸念については「マスクは肉眼的に汚染されれば交換する。必要時には各部署へ配布をしている」としている。
 ほかでも京都市立病院(中京区)は、マスクを購入していた中国・武漢のメーカーから納品が滞り、使用の節約を呼び掛けている。三菱京都病院(西京区)も2月中旬から、医療者は原則1日1枚の使用制限に切り替えた。府立医科大付属病院(上京区)は1カ月分の在庫があるが「今後のマスク納入状況は予断を許さない」。3月上旬からマスクの交換を減らすよう院内に伝えている。
 マスク不足を受け、京都府は医療機関にマスク46万枚を19日までに配布。「さらにマスクが必要となることは理解している。今後もマスク入手の対策を講じたい」と説明する。医療機関へ同日までに約4万枚を配布した京都市も「いつまでこの状況が続くか分からないが、確保に努めていきたい」としている。