新理事長に選ばれた舞鶴氏(左)と、退任する渡辺氏=京都市上京区・西陣織会館

新理事長に選ばれた舞鶴氏(左)と、退任する渡辺氏=京都市上京区・西陣織会館

 西陣織工業組合(京都市上京区)は23日、新役員協議会を開き、3月末で任期を迎える渡辺隆夫理事長(80)=渡文社長=の後任に、副理事長の舞鶴一雄氏(62)=西陣まいづる会長=を選出した。4月1日に就任する。任期は2年。理事長交代は24年ぶりとなる。

  西工は、帯や着物、ネクタイなど西陣織メーカー約320社でつくる全国最大の和装の生産者団体。今月12日に理事選挙を行い、組織の若返りを訴える舞鶴氏に賛同する理事が多数当選。現理事長の渡辺氏は落選した。
 この日の協議会で、出席した新理事の全会一致で舞鶴氏を新たな理事長に選んだ。副理事長には山﨑清一郎氏(76)、岡本繁夫氏(61)、冨家靖久氏(53)、今河宗一郎氏(45)の4人が就く。
 渡辺氏は1996年、商品の代金を一方的に値引きする「歩引(ぶび)き」など製造元に厳しい業界特有の商慣行改善や組織改革を訴え、組合初の選挙で理事長に就任。売買契約の書面化を打ち出すなど商慣行の近代化を推進し、不合理な取引の是正に取り組んできた。
 また、和装需要の低迷で沈滞する西陣織産地の再興を重視。高齢化で匠(たくみ)の技の継承が危ぶまれる中、分業制の職人を守るため、業界の振興に加えて地域の活力を支える組合運営に舵(かじ)を切った。舞鶴氏は2012年に副理事長となり、取引の改善を担当するなど渡辺氏を補佐してきた。
 舞鶴氏は京都新聞社の取材に「和装業界を取り巻く環境は大きく変わっている。世界一の技術を持つ織物産地を引き継ぐため、若い世代で力を合わせ、生産体制の維持や西陣織の可能性の追求に取り組みたい」と抱負を述べた。渡辺氏も「西陣の一体感を大切に頑張ってほしい」と後進にエールを送った。

 舞鶴 一雄氏(まいづる・かずお)同志社大卒。1987年、家業の帯地製造業の社長に就任、2018年から会長。02年に西工理事、12年に同副理事長。京都市出身。