残念だが延期もやむを得まい。早急に結論を示すべきだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に深刻化している状況を受け、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪に関する新方針を発表した。

 開催延期を含めて大会組織委員会や東京都、日本政府と検討し、4週間以内に結論を出すという。

 17日の臨時理事会などで予定通りの開催を確認したが、わずか5日で再検討を迫られた形だ。

 新型コロナの世界的な流行は止まらず、終息の見通しはまったく立っていない。

 大会開幕まで4カ月だが、出場枠約1万1千人のうち4割以上が確定してない。予選どころか選手の練習もままならず、健康面の心配は募るばかりだ。

 共同通信の世論調査でも、7月からの開催は「できないと思う」が約7割に達した。「予定通り」は無理な状況だと、世界の多くの人が思っているのではないか。

 ノルウェーやブラジル、オランダの国内オリンピック委員会(NOC)から延期を要望する声明が相次ぎ、米国の水泳連盟と陸上競技連盟も延期を要請した。

 IOCはこれまで異論の封じ込めを図り、最終判断の期限決定さえ否定し続けてきた。もっと早く方針転換するべきだった。

 結論が先延ばしになればなるほど影響は広がる。26日には福島県から聖火リレーが出発する。4週間といわず、急いでほしい。

 バッハ会長は代替の日程案には言及せず、競技会場や宿泊施設の確保、競技ごとの各大会の日程調整を懸案に挙げた。

 来年は陸上と水泳の世界選手権が予定されており、2年後にはサッカーW杯が控えている。

 組織委や都は大幅な計画の練り直しが不可避で、さらなる財政負担や補償問題にも直面する。

 巨額のマネーが絡み、商業主義化が進んでいる大会開催のリスクがあらわになった。

 とはいえ、今は「選手ファースト」で仕切り直すしかないだろう。五輪の延期は過去に例がなく、どんな結論になるにせよ世界が納得できる理由が必要だ。

 それには、オープンな議論が欠かせない。IOCや協賛社の利益優先をいぶかしむ選手や世論の不信感は高まっている。

 IOCは「中止は議題になっていない」と改めて否定した。中止を避けるためにも、まずは延期の方針を打ち出し、それに向けた準備に取りかかるべきだ。