千秋楽で三段目優勝決定戦を制し、表彰式に臨む宇良(エディオンアリーナ大阪)

千秋楽で三段目優勝決定戦を制し、表彰式に臨む宇良(エディオンアリーナ大阪)

宇良の主な戦歴

宇良の主な戦歴

 大相撲で膝の大けがから幕内復帰を目指す27歳の宇良(木瀬部屋、京都府立鳥羽高-関学大出)が、地元の春場所で三段目優勝を果たし、順調な回復ぶりをアピールした。先場所の序二段優勝に続く全勝で地力の差を発揮。幕下、十両へと続く復活に期待が集まる中、鳥羽高時代の恩師は「本人は早く幕内に上がりたいだろうが、焦らず取り組んでほしい。力は確実に戻ってきている」と温かくエールを送る。


■腐らず前向く強い精神力
 鳥羽高前監督の田中英一さんは、新型コロナウイルスの影響で無観客となった春場所を映像を通じて観戦した。「下半身の筋力が戻りつつあると感じた。上半身は体が張ってしっかり鍛えられている」とうなずく。
 宇良は今場所の優勝で幕下昇進を濃厚にしたが、番付よりも相撲の内容に言及。「きれいな相撲を取りたいですね。けがをしないように」と語った。田中さんは、宇良が語るきれいな相撲について「基本に徹し、相手を押して前に出る相撲。宇良は派手な技のイメージが強いが、まずは低く攻めて前進して勝つ、泥臭い相撲がある」と話す。
 2017年春場所で初入幕した宇良は、同年7月の前頭4枚目が最高位。以降は右膝の2度の手術を経て長期休場を余儀なくされ、昨年11月の九州場所で序二段まで下がった。田中さんは「2度目の手術の後はかなり落ち込んでいた。でも気持ちが腐ることはなく前向き。純粋に相撲が好き」と真面目で強い精神力をたたえる。
 春場所前には本人から「早く上で頑張りたい」と決意を聞いていた。「2度の大けがからどこまで通用するか、彼は挑戦者のまま。結びの一番を堂々と担うような『完全復活』を願っている」と恩師。宇良は「まだ全部が全部きれいな相撲を取れているとは言えない。もっと基礎をしっかりやらないと」と地に足を着けて臨む。