全国の自治体で知的、精神障害者の雇用が進んでいないことが共同通信のアンケートで判明した。

 一人も雇用していない自治体が41%に上り、募集条件から除外している自治体も13%あった。

 障害者雇用促進法は、働く人のうち一定割合以上を障害者とする「法定雇用率」を定めている。国や自治体に対しては率先して障害者を雇用し、事業主や国民の理解を高めるよう規定している。

 中央省庁で2018年夏に採用人数の水増し問題が発覚し、厚生労働省は法改正で行政機関への監督を強化した。特定の障害種別によって応募を制限しないよう自治体に通知している。

 だが知的、精神障害については障壁が解消されておらず、「門前払い」をしている実態が浮き彫りになった。

 雇用実績が全くない自治体もあり、責務を放棄していると言われても仕方ない。自治体には改めて模範となる取り組みを求めたい。

 全体では障害者の雇用は進んでいる。19年6月1日時点の雇用者数は民間企業が約56万人で過去最多を更新し、国、都道府県、市町村もいずれも前年を上回った。

 だが障害別では、身体が多数を占めている。自治体より知的、精神の雇用割合が大きい民間企業では、特例子会社を設立し、サポート環境を整える例が多い。

 自治体での雇用が難しいのは、適した仕事がない、支援の仕方が分からないとの理由が多い。一方でサポートを工夫し、職場の意識改革につながる例も出ている。

 舞鶴市は18年、人事課に「おしごと応援隊」を新設した。知的、精神障害のある男女4人が非常勤職員として働いている。

 各部署の資料封入や整理、データ入力などを担う。専属サポート役の非常勤職員が各部署を回って仕事を確保する。働きぶりが評価されて「指名」を受ける人も出てきたという。

 「対人業務は不向き」といった発想を転換し、多様な仕事を開放してもいいのではないか。窓口業務などを担えば、市民が障害者就労への理解を深めるきっかけになると指摘する専門家もいる。

 小規模自治体からは「人員面や財政面で対応に限界がある」との声もあり、国の支援が求められる。参考となる取り組み事例の発掘、紹介も進めてほしい。

 障害者雇用の趣旨は、能力を最大限発揮し、適性に応じて働ける社会を目指すことにある。自治体の役割は大きい。