ファミ通グループ代表浜村弘一氏(京都市中京区・京都新聞社)

ファミ通グループ代表浜村弘一氏(京都市中京区・京都新聞社)

ファミコン少年の心をわしづかみにしたゲーム雑誌「ファミコン通信」。荒井清和氏による「べーしっ君」も人気を集めた

ファミコン少年の心をわしづかみにしたゲーム雑誌「ファミコン通信」。荒井清和氏による「べーしっ君」も人気を集めた

 クラウドサービスなどの導入でゲーム業界が競争激化している。第5世代(5G)移動通信システムの普及も控え、任天堂を中心としたゲーム業界の現状と未来を、ゲーム雑誌「ファミコン通信」の創刊から関わってきたファミ通グループ代表の浜村弘一氏に聞いた。

 ―ニンテンドースイッチの販売が好調だ。
  「スプラトゥーンやマリオシリーズなど任天堂ならではの作品群が次々と出ている。世界一のコンテンツホルダーである任天堂の作品が遊べるコンテンツ力がスイッチの圧倒的な強さの理由だ」
  ―スイッチになっても家族で遊ぶ「ファミコン」の路線をずっと踏襲している。
  「まったくぶれていないのはさすがだ。変にコアに入り込まず、ゲームの楽しさを広い世代で追求し、世界中でファンが継続して支持している。『Wii』から『WiiU』に変わった時のような連続性がスイッチはなかったので、どれだけヒットするのか、ふたを開けてみないと分からなかった。Wiiは任天堂のハードの中でも売れたが、据え置き型だった。スイッチは据え置き型でもあり、携帯型でもある。『ポケモン』や『どうぶつの森』シリーズなど、携帯型向けのゲームの需要がもっと高まれば、携帯機としての遊ばれ方もどんどん増えてくる」
  「従来はDSの携帯型向けと据え置き型向けを2ラインで開発していたが、どちらも楽しめるとなると、1ラインでできる。これまでは据え置き型の開発チームによるゲームがある程度売れれば、サードパーティーにソフトを作ってもらって携帯型にそのままシフトしていた。スイッチではそれがない。もう一度スイッチでゲームを出すことができ、ダブルの強さでさらに伸びてWii超えも十分考えられる。『リングフィットアドベンチャー』や『脳を鍛える大人のトレーニング』など、WiiやDSでの過去のヒット作をアレンジして投入できるのも任天堂ならではだ」
  ―ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の「プレイステーション(PS)5」の発売も予定されている。
  「PSは、ハードとともに進化してきたグラフィックにファンが期待している。だが、任天堂への期待はグラフィックではなく、ユニークな発想だ。ソフト屋がハードを作るからユニークなゲーム機ができる。PSはパソコン並の性能でゲームに特化した機械で、グラフィックを最高にしていくという任天堂とは違う進化をしていて、ソフトはサードパーティーがほぼ作る。ゲーム業界の中ですみ分けができている」