思い入れがあるタトゥーを腕にしているBリーグ滋賀のフィッシャー選手(左)ら(11月23日、守山市民体育館)

思い入れがあるタトゥーを腕にしているBリーグ滋賀のフィッシャー選手(左)ら(11月23日、守山市民体育館)

 サッカーやバスケットボール、ラグビーなどでタトゥーをした外国人選手らのプレーを見る機会が近年、増えた。まちなかでは、小さなマークや文字などのタトゥーを入れる若い世代も。日本人が思い浮かべる入れ墨とは異なるファッションとも言われるが、彼らはどう映るのだろうか。スポーツの試合会場や彫師らを訪ねた。

 11月下旬、守山市民体育館で行われたバスケットのBリーグ1部、滋賀レイクスターズのホームゲーム。主力で米国出身のディオール・フィッシャー選手(37)は、愛称「フィッシュ」にちなみ、右腕に魚のうろこのタトゥーを施す。相手チームの外国人選手は漢字の「信念」や絵柄のタトゥーを腕に入れていた。

 親子連れら約2千人が客席を埋め、近江八幡市のパート従業員女性(46)は「選手のタトゥーは特に気にならない。怖いイメージはない」。中学3年の娘(14)も「おしゃれやし、気にならない」。ファンの多くは「海外のファッション」と受け止めている様子。守山市の男性(73)は「やくざ映画を見た世代。いい印象はないが時代の流れで仕方がない」。戸惑う人もいた。

 タトゥーについて、チームとして特にルールを設けていないレイクスに対し、同じBリーグ1部の京都ハンナリーズの試合では、外国人選手がサポーターのようなもので隠してプレーする姿が見られた。

 「タトゥーを不快に感じる人もいる。選手である前に社会人。髪型や服装を整えるのと同じでビジネスマナーとして選手に目立たないようにするよう求めている」。チームを運営するスポーツコミュニケーションKYOTOの広報担当取締役の安田良平さんはリーグが始まった2015年以前からの会社のスタンスを説明。ファンの仏師男性(45)=京都市右京区=は「タトゥーを一概に悪いと思わないが、日本で理解が広まるには難しい部分がある。隠す方針に賛成で、子どもも親しみやすく、さわやかな感じがする」と声援を送る。

 日本サッカー協会も日本代表に対し、「さまざまな状況を考慮し、練習や試合など表に出る場ではタトゥーを隠すように指示をしている。選手にも理解してもらっている」としている。

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 単なるファッションではなく、選手は自身のタトゥーに深い思い入れを持っていた。レイクスのフィッシャー選手はうろこ模様のほか、大切な人が亡くなった際に入れた十字架、大好きな父の名前を両腕や肩に刻む。故郷のフィラデルフィアの街並みもある。「人生にとって意味があるものばかりだ」と説明してくれた。

 ただ、来日1年目の昨年、滋賀県内のプールでタトゥーを理由にシャツを着て入るよう求められたという。欧州や中東などさまざまな国でプレーしたフィッシャー選手は「(施設の対応は)理解できる」と穏やかな口調で話す。「いろいろな国を回る中で、それぞれの環境に合わせる必要がある。『ローマにいる時はローマ人のように』ということわざもあるよね」

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 タトゥー施設は各地で増えている。京都市下京区に今夏開店したタトゥースタジオ「狐や」。店主で彫師の恭維さん(27)によると、客は月に40人ほどで、外国人観光客のほか、6~7割が20~30代の日本人男性。依頼されるデザインは、英語の名言などの文字からマリア像などのイラストまで幅広く、「ファッションでかっこいいからという理由で入れる人が多い」と話す。