東京都で新型コロナウイルスの感染者が急増し、小池百合子知事が今週末の外出自粛を要請した。

 爆発的な感染拡大が起きている可能性があり、専門家は「流行の局面が変わった」と指摘している。さらなる拡大を抑えられるかどうか、重大な岐路にさしかかっていると言える。

 世界中で感染の勢いは増している。外出制限などの強硬策によって多くの都市から人の姿が消え、ゴーストタウンのようになっている。

 欧州では2~3日で感染者数が倍増し、イタリアやフランスは全土で人の移動を制限する事実上の「都市封鎖」に踏み切った。

 日本でも同じことが起こらないとは言えない。このまま感染者数の急増が続けば、東京であっても医療崩壊につながりかねない。万が一、封鎖となれば社会や経済への影響は計り知れない。

 都内の1日の感染者は数人~10人台前半で推移していたが、23日から10人台後半となり、25日は41人、26日は47人に増えた。

 都内では暖かく桜の開花が進んだ20日からの3連休に花見の名所や、新宿や渋谷などの繁華街に多くの人出が見られたという。

 小池氏は連休後の要請になった理由を「国の専門家会議の予測が東京は関西と比べて1桁少なかったことなどを総合的に判断した」としている。

 だが、東京五輪・パラリンピックの開催延期が決まった途端の自粛要請となった。五輪が「足かせ」となり、対策が後手に回ったとの批判もあるだろう。

 気がかりなのは、感染拡大の傾向だ。都内の感染者は今月中旬から、感染経路が不明の人や、都市封鎖などで海外から帰国した人が目立つようになった。

 専門家によると、確認された感染者数の推移は2週間前の状況を反映しているとされる。現状はさらに感染者が多く、封じ込めが困難になっている可能性も否定できない。

 集会の自粛はもちろん、手洗いなどの衛生対策を徹底する必要がある。入国者の健康状態を把握することも大切だろう。

 通勤・通学による東京都の流入人口は300万人近い。首都圏の各県とも十分な連携が求められる。地方との人の往来も多く、全国への感染者の波及が心配だ。

 4月からは、入学や入社に伴う人の動きも出てくる。自粛ムードが続くことには疲れもあるが、京都、滋賀でも改めて感染防止の警戒を怠らないようにしたい。