マレーシアで出版された日本の観光雑誌に取り上げられた中坊さん。日本茶の魅力を紹介している(京田辺市普賢寺・舞妓の茶本舗)

マレーシアで出版された日本の観光雑誌に取り上げられた中坊さん。日本茶の魅力を紹介している(京田辺市普賢寺・舞妓の茶本舗)

 地元産の玉露や抹茶を製造・販売する京都府京田辺市普賢寺の「舞妓の茶本舗」が、海外輸出に取り組む優良事業者として今月、近畿農政局長賞を受賞した。英語、ドイツ語、中国語での販売サイト運営や国内外で開催する日本茶セミナーなどの実績が評価された。はかま姿で茶せんを振り、「茶ムライ」として海外でも人気の同店の担当者は「一歩ずつ続けてきた取り組みが評価されてうれしい。これからも多くの方に日本茶の魅力を発信していきたい」と話す。

 海外事業の始まりは2004年。同社のティーコーディネーター中坊敏也さん(46)が「海外に向けて販売をしたいが、英語も話せず決済の仕方も分からない」という状況に悩んでいた時、日本茶を海外へ発送していたドイツ人ラルフ・ファーバーさんが来店したことがきっかけだった。次第に仲を深め、ファーバーさんの協力を得て英語版ホームページが完成。その後も日本茶ファンである外国人の協力を次々に得て、ドイツ語、中国語に対応したホームページも作成すると、海外約50カ国から注文が入るようになった。

 13年には関西・食・輸出事業協同組合に加盟。シンガポールの伊勢丹で試飲販売を行うなど、対面での日本茶販売にも力を入れ始めた。中坊さんに出会い、日本茶の魅力に目覚めたマレーシア人とともに、茶の入れ方セミナーの開催を重ね、地道に日本茶の魅力を伝える活動も続けてきた。

 中坊さんによると、海外向けには単価の高い茶葉タイプのお茶が人気だという。同店の海外向けの売り上げ金額は年々増加しており、18年は売り上げ全体の10%を占め、19年は10月段階で6千万円を突破した。

 中坊さんは「日本ではお茶を飲む人が減り、急須を知らない若い子もいる。茶業界にとって逆風の時代だが、これからも一人でも多くの方にお茶の魅力を伝えたい」と話し、「今後はスペイン語圏での日本茶普及に『茶』レンジしたい」と意気込んだ。