新たに見つかった飛行機の詳細図(上)。右のページに翼、左のページに操縦席が描かれている。下は以前に見つかっていた全体図=長浜城歴史博物館

新たに見つかった飛行機の詳細図(上)。右のページに翼、左のページに操縦席が描かれている。下は以前に見つかっていた全体図=長浜城歴史博物館

 長浜市国友町出身で江戸時代後期に科学者として活躍した鉄砲鍛冶、国友一貫斎(いっかんさい)(1778~1840年)に関する文書を調査していた滋賀県長浜市は27日、一貫斎が描いた日本初の飛行機設計図「阿鼻機流(あびきる) 大鳥秘術(おおとりひじゅつ)」の詳細図が見つかったと発表した。市歴史遺産課は「飛行機の部材の形状や材質が詳細に描かれている。鳥形飛行機を実際に製作しようとしたのではないか」としている。

 市によると、今回新たに発見された詳細図(1冊10ページ、縦24センチ、横16センチ)は1800年代前半の作。市指定文化財の飛行機全体図(縦24センチ、横33センチ)に描かれた翼や飛行士が乗り込む操縦席などパーツごとに、構造や材質を絵と文章で説明している。国友一貫斎家文書から見つかった。

 詳細図によると、飛行機の大きさは全長5~6メートル、全幅12~13メートルで鳥のような形をしている。翼や操縦席は、薄く削ったヒノキ材でフレームを作り、表面になめし皮を貼るとしている。翼の付け根には、鋼板の持ち手のような部品を付ける。両翼と尾翼を付けることや、外を見るための穴を底板に開けると記している。

 国立科学博物館の鈴木一義産業技術史資料情報センター長(科学技術史)は「江戸時代に日本人が描いた飛行機の設計図としては唯一のものといえる。西洋ではレオナルド・ダビンチがコウモリ形飛行機図を残しているが、同様の視点で描かれており航空史上、貴重な資料だ」としている。

 市は2019年から市指定文化財になっている国友一貫斎家文書684点を再調査してきた。その過程で、新たに今回の詳細図を含む計197点を発見した。

 一貫斎は彦根藩御用掛として藩に鉄砲を納めたほか、科学・技術者として空気銃やランプ、懐中筆を開発した。また日本で初めて製作した反射望遠鏡で天体観測を行い、天文図を描いている。