政府は新型コロナウイルス感染症拡大を抑制するため、米国や中国、韓国からの外国人について、入国を拒否する方針を固めた。

 英国なども追加する予定で、欧州のほぼ全域からも、入国を拒むことになる。

 東京都など都市部で感染者が急増していることを受け、水際対策を一段と強化する狙いがある。

 人やモノの往来が滞れば、経済や暮らしにも影響してくる。だが今は、国内での爆発的な感染拡大を防げるかどうかの瀬戸際だとみられている。入国拒否はやむを得ないだろう。

 むしろもっと早く実施するべきだったとの声も聞かれる。やる以上は、実効性のある具体策が欠かせないのではないか。

 入国拒否は、入国申請日より14日以内に対象地域に滞在歴がある人が対象となる。

 世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言から2カ月がたち、感染は世界に広がっている。

 米大学の集計では177以上の国・地域で確認され、感染者は70万人超、死者は3万人を超えた。特に欧米の感染者は爆発的に増えている。

 日本でも東京都や千葉県で大規模な集団感染が発生しており、予断を許さない。気がかりなのは、海外で感染して帰国する例が増えていることだ。

 京都でも欧州旅行から帰国した大学生を含むゼミの卒業祝賀会に感染者が相次ぎ、府と京都市はクラスター(感染者集団)が発生したとの認識を示した。

 外国人だけでなく、帰国する日本人の水際対策に緩さがなかったか、検証する必要はないか。

 政府は日本人を含む国内に入る全ての人を巡り、自宅や宿泊先での14日間の待機を要請する方向で調整しているという。

 経過確認の徹底や待機施設の確保など、感染拡大防止へ着実な効果が見込める取り組みが必要だ。

 WHOは入国制限について乱用を戒めていたが、急激な感染拡大により各国で強化されている。

 とはいえコロナ対策に各国間の連携が大切なことには変わりない。排他的な「自国第一主義」に陥らないよう気をつけたい。

 安倍晋三首相は近く対策本部を開き、入国拒否の実施を表明するという。国民に十分説明して理解を得る姿勢が求められる。

 各国とも引き続き、感染者への対応やワクチンの開発などの情報交換を密にし、冷静に対応策を探ってほしい。