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 うららかな春の陽光が、淡いピンク色に染まったしだれ桜を輝かせる。京都市上京区の京都府庁旧本館。ルネサンス様式の建物に囲まれた中庭を空撮すると、額縁に納められた1枚の絵画のようだ。


 旧本館は1904年に完成し、当時の姿をとどめる国の重要文化財。かつての知事室や議場は一般公開しており、映画やドラマのロケ撮影にも使われている。執務室や会議室は今でも使われ、現役の官公庁建物としては国内最古という。

 

 中庭には6種7本の桜が植わる。最初に見頃を迎えた中央の桜は、円山公園の初代「祇園しだれ桜」の孫。京都守護職にちなむ「容保(かたもり)桜」や福島県寄贈の八重桜「はるか」も少し遅れて咲いていく。


 開催中の「観桜祭」(4月8日まで)では、屋内でライブやコンサートも催され、週末には約3千人が訪れる。旧本館などで見どころを解説する小松香織さん(60)は、「桜は見る時間と場所を変えると違った趣がある。癒やしの空間です」と語る。中庭に面した廊下から見える窓越しの春は、年度をまたぎ執務に追われる歴代の知事たちの心を、ひととき和ませたのだろうか。