滋賀県警本部

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■「もっと気を引きたい」、殺人の自白で懲役12年

 一方、西山さんは、自分の「自白」によって、一緒に夜勤をした看護師が厳しい取り調べを受けているという話を聞いた。西山さんは自問自答し、2004年6月下旬に「アラームが鳴っていたと言ったのはうそでした」と供述の撤回を求めた。男性刑事は撤回させてくれなかった。

 重要な供述を得たからか、男性刑事はそっけなくなり自分への関心が薄れていると感じた。「もっと気を引きたい」。西山さんは、男性刑事の望む答えを考え、「チューブは布団をめくった時に外れた」「やけくそで布団をかけたらアラームが鳴り出した」などと二転三転するうそを重ねた。そして、7月2日、新たな供述をする。

 「わざと、チューブを外しました」

 殺人の「自白」だった。

 業務上過失致死容疑の捜査は急転し、県警は6日、殺人の疑いで西山さんを逮捕した。西山さんは混乱する一方、「もっと男性刑事と一緒にいられる」とも思った。10年以上に及ぶ刑務所生活が待つとは、考えもしなかった。

 同年秋、大津地裁で開かれた公判で、西山さんは「殺していない」と主張、「取り調べ担当刑事に好意を持ち、気を引きたくて自白した」と説明した。翌年秋の判決は懲役12年。長井秀典裁判長は「刑事の気を引きたいだけで虚偽の自白をするとは通常考えられない」と断じた。