新型コロナウイルスの感染が、若い世代に広がっている。

 厚生労働省によると、3月31日時点の10~20代の感染者は309人で、同日だけで63人増えた。全感染者に占める割合は14%と、前日から1ポイント高まった。

 京都でも京都産業大の学生らによる感染者集団(クラスター)の拡大が続いており、卒業生や学外での接触者を含めた同大学関連の感染者数は4月1日時点で40人を超えた。

 若年層は感染しても重症化のリスクが低いとの認識から、自覚しないまま活動して無意識にウイルスを拡散させる恐れがあると指摘されている。

 新年度になり、入学や入社で若い世代の活動が増えると予想される。手洗いの徹底など感染防止対策とともに、他人にうつすかもしれないとの想像力を高めて行動することを心掛けてほしい。

 京産大のクラスターの中心は、政府が渡航自粛を要請する前の3月上、中旬に卒業旅行で欧州に滞在した学生3人とみられている。帰国して約2週間後に感染が確認されるまでの間にゼミやサークルの懇親会などに出席し、同席者らにも感染が広がった。

 感染拡大を防ぐには、感染源をいち早く特定することが重要になる。京産大生に関連する感染の経路は一定明らかになったが、不特定多数の人との交流が続けば、感染経路をたどれない例が増える可能性もある。

 専門家の多くは「若者の意識が鍵」と強調する。若年層は無症状や軽症のまま市中で感染を広げるリスクがあるとみるべきだろう。

 若者世代の感染者の割合が高い東京都は、感染経路が不明な患者の約3割が飲食店での感染が疑われる事例だったとして、都民にバーやカラオケなどの利用を控えるよう求めた。京都府も新入生歓迎の懇親会などの開催を自粛するよう要請している。

 ただ、法的拘束力がなく、行動制限に限界があるとの声もある。国や自治体は、なぜ自粛が必要か丁寧に説明しなければならない。

 情報の伝え方にも工夫が求められる。若者への影響力がある会員制交流サイト(SNS)を活用するなど、効果的な手法を探ってほしい。

 重症化しやすいのは高齢者や基礎疾患のある人とされるが、海外では若者でも重症化や死亡の例が報告されている。正確な情報を基に、一人一人が危機意識を持って行動する必要がある。