大津地検

大津地検

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪で懲役12年が確定し、服役した元看護助手西山美香さん(40)=彦根市=を無罪とした大津地裁の再審判決について、大津地検は2日、上訴権を放棄したと発表した。逮捕から約16年が過ぎ、西山さんの無罪が確定した。

 西山さんは「すごくうれしい。両親もとても喜んでいる」と話し、3月31日の判決から2日後の上訴権放棄について「検察が悪あがきして喜べないという思いもある」とした。井戸謙一弁護団長(66)も「検察は判決直後に上訴権を放棄すべきだった。捜査機関は判決の指摘を受け止め、捜査を検証し、改善すべきだ」と強調。国家賠償請求訴訟については「改めて検討したい」とした。
 一方、同地検の山上真由美次席検事は「判決を精査し、控訴しないと判断した」との談話を出した。理由の説明や謝罪はなかった。
 西山さんは04年7月、殺害を自白したとして逮捕、起訴された。公判では否認し無罪を主張したが、05年の大津地裁判決で有罪認定され、07年に最高裁で確定、17年8月まで服役した。
 第2次再審請求で大阪高裁が17年12月、再審開始を決定。20年2月に始まった再審公判では検察側は新たな有罪立証をせず、3月31日の判決で大津地裁は「事件性は認められず、自白の信用性に重大な疑義があり、任意性にも疑いがある」と無罪を言い渡した。