木漏れ日を浴びるユキワリイチゲ。直径3センチほどの花々が地面いっぱいに咲き誇る(3月19日、甲賀市土山町・瀧樹神社)

木漏れ日を浴びるユキワリイチゲ。直径3センチほどの花々が地面いっぱいに咲き誇る(3月19日、甲賀市土山町・瀧樹神社)

 木漏れ日に、無数の花々がくっきりと浮かぶ。花びらのように見えるがく片を淡い紫に染め、陽春に咲き誇る。

 琵琶湖へ注ぐ河川で滋賀県最長の野洲川。上流右岸の瀧樹(たぎ)神社(甲賀市土山町)で3月中旬、キンポウゲ科のユキワリイチゲの群落が花盛りを迎えていた。
 近畿以西に分布するが、湖国での自生地は限られ、県の絶滅危機増大種に指定されている。
 同神社の高木雄一郎宮司(74)によると、10年以上前、繁茂したササを刈ったところ目立ち始めたという。2010年に境内の0・2ヘクタールが植物生育地保護区となってからは数が増え、他府県からも見物客が訪れるようになった。
 周囲には、スギやムクノキの巨樹が並ぶ。太い幹が天を突く。四方に枝を広げ、ユキワリイチゲが好む半日陰の環境を演出する。
 川辺に残された鎮守の森に、貴重な草木が宿る。