新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、行動を変える必要性を訴える宮沢准教授(京都市左京区・京都大)

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、行動を変える必要性を訴える宮沢准教授(京都市左京区・京都大)

 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、長期的な視野で事態に向き合う状況となっている。私たちはどうウイルスと暮らせばよいのか。ウイルス学の専門家として、ツイッターなどで積極的に情報発信している京都大ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授に聞いた。

 -日本でもいつ爆発的に感染増加が起こってもおかしくない状況となった。
 「誰もが感染しているという前提に立ち、行動パターンを変える必要がある。密集した状態での飲食を避けたりマスクをして公共交通機関に乗ったり、これまでとは違う行動が求められる。政府の緊急事態宣言によるさらなる行動制限も現実味を帯びているが、最後の手段だろう」
 -行動制限の強化によって、経済が滞るなど弊害が生じる。
 「緊急事態宣言をしてもいつかは解除しなければならない。そうすると反動で人々が出歩くようになり、再び感染が増加して…と繰り返す可能性がある。そうならないように人々はまず、行動パターンを変えなければならない」
 -世界的にウイルス対策が後手に回った。
 「欧米と比べて日本は対策が甘いと言われるが、死者数を見れば日本は比較的対応できてきた。必要以上に慌てることはない。ただ長期的な対策が求められることが国民に浸透していないように思える。年単位で行動は改めなければならないのに、たがが緩み感染者が増え始めている」
 -新型コロナウイルスの危険性はどの程度とみているか。
 「新たなウイルスは毎年出現しているし、100年前に大流行し数千万人といわれる死者を出したスペイン風邪のような危険性があるとは思えない。新型コロナウイルスの集団免疫が成立するには人口の6割が感染する必要があるといわれる。だが新型コロナウイルスに分からないことが多い中、このシミュレーション結果はそのまま受け入れられないだろう」
 -リスクがはっきりしない中、どのように「恐れる」べきなのか。
 「専門家でも正確な知見を持っている訳ではないが、合理的な行動は導ける。例えば今は桜の季節だが花見をしてはいけないことはない。マスクをして静かに楽しむのなら問題はないはずだ。一方で、大勢でマスクせずに宴会をするのは問題だ。日常生活をまったく変えろというつもりはない。合理的に考えることで、これまでの行動を少し変化させる必要があるというだけだ」