失墜した信頼の回復には、掲げた改革の実効性が問われよう。

 関西電力は、役員らの金品受領問題を巡り、経済産業省から命じられた業務改善の計画をまとめ、同省に提出した。

 再発の防止に向け、社外取締役による監視を強めるよう企業統治の仕組みを変える。新たな会長に外部から前経団連会長の榊原定征氏を迎え、経営刷新を進めるとした。

 長い間はびこり、法令順守や客目線もないがしろにしてきた企業体質を改めるのは容易でない。「外部の目」頼みではなく、真の反省を踏まえて自浄能力をいかに働かせられるかが試される。

 改善計画は、経営体制を「指名委員会等設置会社」に移行するとした。過半数を社外取締役が占める「指名」「報酬」「監査」の3委員会を設け、人事などの権限を委ねて経営を監督するやり方だ。

 原発事故後の東京電力、日産自動車なども統治改革策として採用した。だが、先駆けだった東芝の不正経理の発覚が示したように、形だけ整えて「外部の目」が機能するものでないのは明らかだ。

 金品受領問題を調査した第三者委員会が、ユーザー目線の欠落と透明性の軽視だと批判した「内向きの企業体質」の反省と克服に真摯(しんし)に向き合わねばなるまい。

 関電は、福井県高浜町の元助役(故人)から金品を受け取った役員ら82人の処分を追加し、前社長らを含め処分対象は計93人に上った。損害賠償責任を問えるか、今後2カ月程度で判断する調査委員会も設けたという。

 身内への甘さを露呈した報酬補塡(ほてん)問題にも明確なけじめが要る。電気料金値上げに利用者の理解を得るためカットした役員報酬などを後でひそかに補給した問題だ。

 森本孝社長が「正当性は認められない」とし、全額返還を求める決定をしたのは当然だ。利用者を欺く行為であり、法的、道義的責任を明らかにし、全額回収を果たす必要がある。

 経営改革の要となる榊原会長の責任は重い。関電が要請し、受諾したのも原発推進の持論からだろう。

 だが、原発稼働を最優先した事業者と地元の癒着に国民の視線は厳しい。事業の必要性と透明性を十分に示さなくてはなるまい。

 経産省も問題を見逃してきたばかりか、業務改善命令の手続きミスを隠そうと内容を偽って決裁文書を作成したのは言語道断だ。監督官庁でありながら、国策で原発を推進するという身内意識の弊害がここにも表れていないか。