行方不明になった認知症高齢者の早期発見のための実証実験(2016年・滋賀県守山市)

行方不明になった認知症高齢者の早期発見のための実証実験(2016年・滋賀県守山市)

認知症の人の行方不明の回数と期間

認知症の人の行方不明の回数と期間

 認知症の行方不明者が全国的に増加していることを受け、「認知症の人と家族の会」(京都市上京区)は、家族ら介護者を対象にアンケートを実施した。行方不明を複数回経験した人は8割近くに上り、行方不明が始まった時期は「要介護1」と「未認定」が合わせて6割近くを占めた。要介護度が比較的低い人への公的な支援が十分でなく、家族らが再発防止に苦心している実態が浮き彫りになった。

  警察庁の調査によると、2017年に届け出があった認知症(疑いを含む)の行方不明者は1万5863人(京都府内465人、滋賀県内154人)で、統計を取り始めた12年から5年連続で増加している。

 アンケートは18年1~2月に全国47支部を通じて、在宅で認知症の人を介護している人(過去を含む)で外出時のリスクを経験したことがある940人を対象に実施した。配偶者や子ども、ケアマネジャーら549人から回答を得た。

 介護を受けている人が行方不明になったことがあると回答した人に回数を聞いたところ、2回以上が78%で、2回が21%、3回が15%、4回が8%、5回以上が33%だった。「覚えていないほどたくさん」と回答した人も11%いた。

 行方不明を繰り返した期間は2年が27%と最も多く、1年19%、3年18%、5年11%と続いた。最長15年だった。

 最初に行方不明になった時期は、要介護認定を受けていない時が30%、「要介護1」が27%、「要介護2」が28%で、身体的介護の必要性が比較的低い人が大半を占めていた。

 不明になることを予測できたと答えた人は55%に上り、家族を中心とした介護体制の限界を示した。同会は「家族だけで認知症の人を24時間見守ることはできず、その心労は計り知れない。身体介護の必要性だけでなく、認知症に主眼を置いた公的な支援も必要だ」と指摘している。