飛沫感染防止のため、通気孔をテープで防いだ京都刑務所の面会室(京都市山科区・同刑務所)

飛沫感染防止のため、通気孔をテープで防いだ京都刑務所の面会室(京都市山科区・同刑務所)

 新型コロナウイルスの感染拡大に、刑務所が危機感を強めている。閉ざされた空間だけに、感染者が出ればまん延する恐れが高いためだ。京都刑務所(京都市山科区)では面会室の通気孔をふさぎ、施設の参観を中止するなど、外部との接触を極力避ける対策をとっている。


 法務省は1月以降、3度にわたって全国の矯正施設に職員のマスク着用など対策を指示した。収容者のマスク着用は顔の一部が隠れるため、刑務作業中の会話など反則行為につながる恐れもあるとして、従来は否定的だった。だが一部の刑務所で昨冬、インフルエンザが流行したことを受け、今季は着用を認めた。それが新型コロナウイルス対策にもつながっているという。

■収容者もマスク 通気孔にテープ

 京都刑務所ではさらに、面会時の飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、面会室の通気孔にテープを貼った。週2回だった施設参観の受け入れも2月25日から中止。また、新規の入所者は、1週間個室に入れ、健康であることを確認してから共同室へ移している。3年前からインフルエンザ対策として始めた取り組みで、分離中は集団での刑務作業には加えず、個室での作業に従事させている。
 同刑務所の受刑者は3月末時点で1044人で、12%(131人)が65歳以上の高齢者だ。基礎疾患を抱える人も多く、感染すれば重症化が懸念される。外部の指定医療機関に入院すれば、逃走防止のため刑務官が24時間対応で受刑者を監視する必要があり、業務の負担も増すという。
 大竹宏明所長は「受刑者の健康を保つことは、社会復帰や再犯防止のためにも重要。万全の態勢で感染防止に取り組みたい」と力を込める。受刑者との面接など出所や仮釈放の手続き上、どうしても延期できないものについては、椅子の間隔を空けるなどして対応している。
 国内では5日、全国の矯正施設で初めて大阪拘置所(大阪市)の男性刑務官の陽性が判明した。世界的には、タイの刑務所で感染拡大のうわさが流れ、受刑者が窓を壊すなどして脱走する事件が起きている。法務省の担当者は「最悪の事態を備えて対応しなければ」と気を引き締めている。