火炎の部分も迫力いっぱいに描かれた青不動(右)と鮮やかな朱が印象的な中山寺の不動明王(兵庫県宝塚市・中山寺)

火炎の部分も迫力いっぱいに描かれた青不動(右)と鮮やかな朱が印象的な中山寺の不動明王(兵庫県宝塚市・中山寺)

 近畿地方の代表的な「お不動さまのお寺」でつくる「近畿三十六不動尊霊場会」が、各寺院の不動明王像を描いた掛け軸36幅を作った。それぞれに色合いや表情が異なり、全て並ぶと壮観。今後、全国で出開帳を行う際などに活用する予定だ。

 不動明王は大日如来の化身とされ、古くから庶民の信仰を集めてきた。近畿三十六不動尊霊場会は1979年に発足、2019年で40周年を迎える。京滋では国宝・青不動のある青蓮院(京都市東山区)や、金色不動明王を伝える円満院(大津市)など15寺が霊場会に加盟している。

 掛け軸は、近畿一円に点在する霊場をより身近に感じてもらおうと、4~5年前から計画。仏像や絵画の形で各寺院に伝えられてきた不動明王を、日本画家の武藤照三氏が写真などを基に1体ずつ写生した上で赤や青の極彩色を施した。全ての絵画が完成したのは今秋で、11月上旬に根来寺(和歌山県岩出市)で開眼法要を営んだ。

 今後は、各寺院が営む法要や、他地域の霊場会と合同の出開帳といった場で活用したいという。霊場会の会長を務める青蓮院の東伏見慈晃門主は「掛け軸や石仏、木像などさまざまなお不動があるが、統一感のある軸が完成してよかった」と話している。