包丁や鍋などの金物に囲まれながら、大津絵を学ぶ参加者(京都市下京区・井口庖丁本店)

包丁や鍋などの金物に囲まれながら、大津絵を学ぶ参加者(京都市下京区・井口庖丁本店)

 京都市下京区の中央卸売市場近くにある包丁店で、大津市の民俗画「大津絵」の教室が開かれている。京都では数少ない大津絵の教室が意外な場所で開かれているとあって、住民らの間で話題になっている。

 大津絵は江戸期に始まり、朱色や黄土色などの限られた色使いと伸びやかな曲線が特徴。教室は「井口庖丁本店」で行っている「大津絵研究会」で、2014年に始まった。月2回、市場が休みの水曜日に店内で開かれている。

 講師は、色彩研究家の岩崎英和さん(83)=伏見区。会では毎回、1枚の絵を描き上げる。店の包丁や鍋に囲まれながらこれまで毎回、7人程度の参加者が代表的なモチーフ「藤娘」や「鬼の寒念仏」など100種類以上に挑戦してきた。

 教室は、店の井口和子さん(75)が、たまたま見かけた岩崎さんの大津絵を気に入り、交流を始めたのがきっかけだ。岩崎さんは大津絵の大家、故高橋松山さんと親交が深く、大津絵師としても活躍している。発足時から参加する料理店店主の上田幸治さん(75)=下京区=は、「大津絵にまつわる歴史も学べて楽しい」と話す。

 ユニークな場所で開かれているため、口コミで知った人が新たに参加したりしている。井口さんは「ユーモアがあって味わい深い大津絵の魅力を知ってもらえれば」と笑う。同店075(313)9477。