年末に、はしごの上の鶴の夢を見た八五郎。富くじを買い、めでたし千両大当たりの初春となる。落語「御慶(ぎょけい)」にあやかりたい人は多いのではないか▼一方、悪夢の始まりとなる大当たりもあった。禁断の味を知った大企業の御曹司がカジノに会社資金をつぎ込んだ揚げ句、実刑となった事件は記憶に新しい。めでたくない実話である▼カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を大阪府・市が、2025年の万博会場となる大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)に目指している。交通インフラの一つとして淀川を経由し、京都と夢洲を水路で結ぶ舟運構想も出ている▼昨年はIR整備法成立、万博開催決定と大阪府知事・市長の「夢」がかなった。だが具体化するには難題だらけだ。計約3千億円もの開催経費以外に、別のインフラ整備費もかかる▼「派手すぎる」「今の駅の雰囲気を壊さないで」。夢洲への地下鉄延伸計画では早速、駅刷新のデザイン案に批判が噴出し、反対運動が起きている。カジノへの批判も根強い。ギャンブル依存症対策は置き去りにされたままだ▼ここへ来て、大阪都構想の民意を問う出直しダブル選の話が急浮上してきた。両首長のさらなる「夢」をかなえる大勝負なのだろうか。それとも、はったりなのか。どこかギャンブルめいている。