緊急事態宣言の要請について会見する西脇知事(10日、京都市上京区・府庁)

緊急事態宣言の要請について会見する西脇知事(10日、京都市上京区・府庁)

 京都府と京都市が10日、新型コロナウイルスに備える改正特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象地域に府を加えるよう国に要請したのは、感染経路不明の事例が京都市で増加していることが背景にある。宣言地域から外れたことで、「京都は大丈夫」との雰囲気が広がりかねないとの焦燥感もあった。

 府内では10日までに174人の感染が確認された。このうち京都市内は114人と7割近くを占め、感染経路不明の割合が4月に入り5割近くに達している。8日は判明した感染者の8割で経路をたどれず、門川大作市長は「質的に変化している」と漏らし、深刻に受け止めた。
 市は政府が宣言の対象地域を決めた要因を分析した結果、「感染経路不明の割合がほぼ半数」との基準に該当すると判断。門川市長は西脇隆俊知事に連絡を取り「緊急事態宣言の発令を国に要望することが必要ではないか」と求めた。
 市幹部は「府内全体の状況よりも京都市域は深刻」と説明するが、別の幹部は「特措法の権限は知事にある。市長が前に出過ぎることもできない」と微妙な立ち位置を語る。
 西脇知事は当初、宣言の要請に慎重とみられていた。しかし7日の西村康稔経済再生担当相による「政府の専門家会議も、京都の状況を注視している」という発言に大きな関心を示し、宣言が出た場合に備えた準備に着手。府幹部は「この数日で感染ルートが追えない事例が増え、知事は相当な危機感を持っていた」と打ち明ける。
 10日の会見で西脇知事は、通勤、通学での往来が多い大阪府や兵庫県が宣言地域となったことを挙げ、「京都が大丈夫という、あらぬ誤解を招く」と危惧を示した。「政府には再三、京阪神の往来があると言っている」とも述べ、広域で感染を封じ込めることの重要性を訴えた。