そばを切る安喰さん。「どんなに良いメニューでも、そばがしっかりしていないと負けてしまいます」(綾部市志賀郷町・そば処 あじき堂)

そばを切る安喰さん。「どんなに良いメニューでも、そばがしっかりしていないと負けてしまいます」(綾部市志賀郷町・そば処 あじき堂)

「アボカド豆富そば」(980円)。今年は6月29日まで提供する。秋冬も、鴨南蛮そば、にしんそばなどのメニューがある

「アボカド豆富そば」(980円)。今年は6月29日まで提供する。秋冬も、鴨南蛮そば、にしんそばなどのメニューがある

 そば粉に水を回し、合わせ、伸ばし、切る。そばを打つ全ての工程がリズミカルで、見ているだけでお腹が鳴る。「春から初夏までの限定そばです」。店主の安喰(あじき)健一さん(48)が目の前に置いたのは豆腐を使った「アボカド豆富そば」。鮮やかな緑が目に飛び込んでくる。

 そばにオリーブオイルを一気に掛け回してレモンを絞り、ガリガリとミックスペッパーをかける。一口すすると、アボカドの甘みとコクが広がり、そばと豆腐の風味が追いかけてくる。独創的なうまさは、そばがしっかりした「本物」だからこそ出せる。
 安喰さんは福井県でそばを修業。大阪から京都府綾部市志賀郷町に移住し、5年前、店を開いた。田畑を耕し、店でそばを週4日打つ。「食べ物は大地からいただくもの。食の根っこの部分を常に感じていたい」
 アボカド豆富そばは、安喰さんが農作業の一休みであぜ道に座った際、目の前に広がる緑の山々を見て考案した。四季ごとの季節限定メニューは女性の人気が高いが、もり、おろし、軍鶏(しゃも)そばといった定番メニューも、各地で食べ歩くツーリング客といった、そば通たちをうならせる。
 軍鶏や野菜など食材は地場産を積極的に使う。古民家を改装した落ち着いたたたずまいの店は集落の中にあり、少し歩けば一面に田畑が広がる。田舎の春風を感じながら訪れたい。

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 そば処 あじき堂 綾部市志賀郷町町ノ下31。金・土・日・月曜午前11時~午後3時(3月15日は臨時休業)。2~20人で5日前までに予約すれば営業日の午後6時以降で鴨鍋も食べられる。090(8099)6422。ホームページはhttps://ajikido.jimdofree.com/