休日の夕方、大津市膳所の銭湯「都湯」を訪ねた。経営者の死去でしばらく休業していたが、営業を再開するという本紙記事(昨年10月24日付)が気になっていたからだ▼湯船は小さめ。それでも家風呂とは違い足を伸ばして肩まで浸かれる。最新の電気風呂もある。豪華な温泉旅館に行かなくても極楽感は十分に味わえる▼都湯を再開したのは湊雄祐さん(28)。京都市下京区にある「サウナの梅湯」の経営を2015年から受け継いでいる。ネットなどで巧みにPRし、いまや全国から人が訪れる。湯船に外国人観光客も珍しくない▼都湯や梅湯で楽しいのは、湊さんや若い従業員らの手作り新聞だ。ラミネート加工されているから湯船で読める。手持ちぶさたの長風呂にはちょうどいい。ちょっとしたアイディアがうれしくなる▼しかし一般的に銭湯の経営は楽ではなく、京都や滋賀でも廃業が相次ぐ。昨年6月の大阪府北部地震の直後、断水した地域では銭湯が被災者を無料で受け入れた。一方、損壊したまま店を閉じた例もある▼銭湯は重要な社会的インフラの一つだと思う。なくなって初めてそのありがたさが分かる。積極的に利用して応援したい。それぞれの地域のどこにあるかは、スマホでも分かる。せめて週末だけでも訪ねてみてはどうだろう。