美容や健康に効果があるとされるボタンボウフウの生育状態を確かめる井入さん(守山市立田町)

美容や健康に効果があるとされるボタンボウフウの生育状態を確かめる井入さん(守山市立田町)

和ハーブティの葉とハーブの鉢

和ハーブティの葉とハーブの鉢

 日本に古くから伝わる有用植物「和ハーブ」の栽培に、滋賀県守山市立田町の農園で働く男性が力を入れている。薬や料理、美容などさまざまな用途で日本人の生活や健康を支えてきたハーブ。男性は、商品開発や地域住民を対象にした講座を計画し「和ハーブで守山を盛り上げたい」と意欲を見せている。

 京都で会社員をしていた井入吉信さん(43)は、4年前、父親の体調不良を機に、家業の井入農園に入った。
 花や野菜の苗の生産・販売が主力の同農園は、低価格が売りのホームセンターなどとの激しい競争にさらされている。新たな収益の柱を探る中、昨年6月、知人から和ハーブを教わった。育てやすく、日本人になじみやすい香り。「『これだ』と、道が開けた思いがした」
 翌月には和ハーブ協会(東京)認定の和ハーブ検定を受け、合格。栄養学や植物学を猛勉強の末、講座を開催できるインストラクターの資格も得た。
 並行して、和ハーブづくりにも着手。当初の3種類から20種類に増やした。ヨモギやイブキジャコウソウ、また命薬として親しまれる琉球ヨモギや美容効果があるゲットウ、ボタンボウフウといった沖縄産のハーブなど多彩だ。無農薬にもこだわる。
 自社の直売所や物産展で和ハーブやブレンド茶などを販売すると、評判が口コミで広がった。地元のフレンチレストランやパン・和菓子店のほか、ミシュランで星を獲得した大阪の日本料理店にもハーブを卸すなど徐々に販路を広げている。
 市内の公民館で高齢者対象に効果や効能、利用法を教える講座を始めるほか、子ども向け企画の実現にも意欲を見せている。井入さんは「昔からあるものだが、若い人には、あまり知られていない。疲労回復やメンタルヘルスなど新しい切り口でも広めたい」と夢を膨らませている。