家族性のアルツハイマー病の原因となる遺伝子を持ったカニクイザルを誕生させることに成功したと、滋賀医科大のグループが発表した。ヒトの認知症が進行するメカニズムの解明につながるという。米医学誌にこのほど掲載された。

 家族性アルツハイマー病は、原因となる遺伝子APPの変異が子孫に受け継がれ家系内で発症するとされる。しかしAPP遺伝子の変異をマウスに導入しても異常タンパク質は十分に蓄積されず、詳細な病態解明は難しかった。
 同大学動物生命科学研究センターの依馬正次教授らのグループは、ヒトでの家族性アルツハイマー病をより正確に再現するためカニクイザルを研究対象とした。APP遺伝子を導入した受精卵を親ザルに移植。生まれた9頭のうち、6頭で病原性のタンパク質が確認された。
 依馬教授は「脳内にタンパク質がどう蓄積され、認知機能にどのような影響が出るのか検証していきたい」としている。