ヘルプマーク普及活動を行う辻さん。九州や中国地方を巡った際は、約1カ月間キャンピングカーで生活したという

ヘルプマーク普及活動を行う辻さん。九州や中国地方を巡った際は、約1カ月間キャンピングカーで生活したという

 外見からは障害があると分かりづらい人たちが支援を受けやすくするための「ヘルプマーク」を普及させようと、滋賀県野洲市北野1丁目の辻廣樹さん(63)が県内や西日本各地を飛び回っている。自身も難病を抱えながら、約半年前からほぼ毎日を活動に費やしており、「体が動く限り続けたい」と意気込む。

 ヘルプマークは2012年に東京都が初めて導入。外見で分かりづらい内部障害のある人や妊娠初期の女性たちが電車で席を譲ってもらったり、災害時に避難支援を求める目印だ。滋賀県では17年4月から配布が始まり、各市町庁舎や保健所などで受け取れる。

 辻さんは16年に、首や背中の靱帯(じんたい)が骨に変異し神経を圧迫することで運動障害を引き起こす進行性の難病「脊椎後縦(せきついこうじゅう)靱帯骨化症(こっかしょう)」と診断された。今も腕や足にしびれがあり「階段を上り下りするのも大変な状態」という。

 昨年4月からヘルプマークを身に付けていたが、友人らからは「スイスの国旗か」などと言われ「全く認知されておらず、付けていて意味があるのか疑問に感じた」と話す。

 「当事者が必要性を語りかけなければ、マークへの理解は深まらない」。辻さんは認知度を高める活動を行うことを決意。県内の郵便局や道の駅などにポスターの掲示を依頼。10月には友人からキャンピングカーを借りて約1カ月間、九州や中国地方など10県以上を巡って飲食店や消防署などにポスター張り出しを求めた。その際、手足の痛みや疲労から病院へ3回駆け込んだというが「現地で出会った人やSNS(会員制交流サイト)からの応援の言葉がパワーになった」と話す。

 「今後は関東地方へも活動範囲を広げていきたい」。休養する時間さえ惜しむように、辻さんは覚悟を語る。

 「数年後には自分の体は動かなくなる。だから今のうちに、できるだけ人のためになることをやりたい」