ねじは人生に似ている。しっかり締めるのが基本だが、緩めることもできる。一見矛盾する二つのことをこなす臨機応変さも重要だという▼ねじメーカー日東精工(本社・綾部市)が、社員研修用テキストを一般向けにまとめた「人生の『ねじ』を巻く77の教え」(ポプラ社)にある▼この季節、同社のねじのお守りが受験生の心をつかんでいる。緩み止めのねじをアレンジし「気を緩めず集中力を持続して」との願いを込め、希望者に無料で贈る。長さ2・4センチの頭部は「合格」にかけた五角形で「祈成就」の刻印もある。気持ちを軽く、とアルミ素材を用いる▼ねじは自動車や家電など幅広い分野に使われ、暮らしの安全を支える。「大切さを知ってほしい」と5年前に始め、全国から申し込みがあるという。親から子へ、祖父母から遠く離れた孫へ、先生から生徒へ。「届いた先にドラマがある。人と人をつなぎ、勇気づけたい」と経営企画室の山本さつきさん(26)▼今季は「おみくじ」ならぬ「ねじくじ」も同封する。「77の教え」から<遠くのゴールを見つめよう>など五つを選んだ。どれが当たっても前向きになれる▼締める。緩める。オンとオフの切り替えが大事なのは受験生に限らない。心のねじを調節しながら、転換点の1年を乗り切りたい。