持参したエコバッグに商品を詰め替える買い物客。レジ袋が有料化された食料品売り場では大半が受け取りを辞退している(亀岡市内のスーパー)

持参したエコバッグに商品を詰め替える買い物客。レジ袋が有料化された食料品売り場では大半が受け取りを辞退している(亀岡市内のスーパー)

 来年1月から、全店舗にプラスチック製レジ袋の提供を禁じる亀岡市。便利なプラ製品に依存してきた生活を考え直す第一歩にするとともに、地元を流れる保津川に漂着して景観を汚すごみの元を断とうと、全国に先駆けて条例化に踏み切った。「環境保全のため」と7割の市民が賛意を示すが、取材の中では、商店主たちを中心に「いざレジ袋が無くなれば混乱必至」との懸念の声を多く聞いた。

 3月市議会で成立した「プラスチック製レジ袋提供禁止条例」は、国が今年7月に予定するレジ袋有料化よりも厳しい。市内の全業種全店舗に有償無償を問わずプラ製レジ袋の提供を禁じ、紙袋なども有料化を義務付ける。現在レジ袋有料化を実施しているスーパーだけでなく、小規模店やコンビニ、露天商もその対象だ。さらに来年6月以降は、違反店舗が是正勧告に従わなかった場合にその旨を公表できる「罰則」も設ける。罰則規定には反対意見も根強いが、市は「実効性を持たせるために必要」と譲らない。

 施行に向け、市はエコバッグ持参率100%や、小規模店への支援策「紙袋共同購入制度」の確立を急ぐ格好だ。コストの高い紙袋を一括購入し、各店の負担を軽減する狙いがある。ただ、紙袋では代替が効かない商材を扱う店舗があることも忘れてはならない。例えば園芸店では、泥の汚れや水気のある苗を販売し、エコバッグなどでの運搬が難しい。女性店主(69)は、「禁止は唐突で、代替策の説明も不十分なまま。違反店として公表されても、その時はその時」と諦めの境地だ。

 一方、消費者側はレジ袋だけを規制することを疑問視する。「レジ袋がプラごみに占める割合は低いのに、意味があるのか」。市民説明会では何度もこの質問を耳にした。市は「ペットボトルや食品トレーと異なり、レジ袋は消費者が受け取りの選択をできる。過剰なプラ依存を見直したい」と理解を求める。

 ただ、市の条例では、業務用などにまとめて売られている袋の販売までは規制できない。スーパー前で取材をしていると、「生ごみや汚物を入れるため、レジでもらえないなら商品として買う」との意見に出合う。市内に住む主婦(32)は、子どもを通わせる保育園から、おむつを捨てるビニール袋は家庭から持参するよう言われている。「条例には賛成だが、『スーパーの袋』は生活に必要。今後は百円均一の店で買うことになるかな」と苦笑する。同様の理由で、プラごみ全体の減量にはつながらないとの冷静な指摘もあった。

 とはいえ、ある洋菓子店の男性店主(46)は「業態によって受け止め方は違うが、環境への取り組みが亀岡の好印象につながるなら」と集客効果に期待を寄せていることも紹介したい。市民に歓迎される条例となるのか、賛否の議論の先が問われている。亀岡市に暮らす一人として、条例の今後を見つめたい。