新型コロナウイルスの感染拡大が続き、終息が見えない中、豪雨や地震などの大規模災害に見舞われたらどうするか。

 想定したくなくても、対応策を考え、準備をしておかなければならない課題だ。

 とりわけ急を要するのが、災害時に不特定多数の人が集まる避難所の対応である。

 避難所として使われる体育館や公民館での生活は、クラスター(感染者集団)を生む密閉、密集、密接の「3密」になりやすい。

 過去の災害では、避難所でインフルエンザやノロウイルスの集団感染が起きている。阪神大震災ではインフルエンザが流行し、多くの震災関連死につながった。

 国はそれらの経験を踏まえて避難所運営ガイドラインを作っているが、今回の新型コロナは感染力の強いウイルスだけに、細心の注意を払う必要がある。

 内閣府は、通常の災害時より多くの避難所開設を図る必要があるとする通知を、今月1日と7日に自治体に出した。ホテルや旅館を活用し、親戚や友人宅への避難促進も検討するよう求めている。

 避難所を分散化し、広げておくことは過密を防ぐために必要だが、ホテルなどの協力を得るためには、前もって話し合い、協定などを結んでおく必要があろう。

 通知によると、避難所へ住民が到着した際に、発熱やせき、喉の痛みといった健康状態の確認を推奨している。

 その上で症状がある人は個室、専用トイレを基本とし、同室の場合は間仕切り設置が望ましいとした。新型コロナ感染者については軽症でも避難所滞在は適当ではないとしている。

 感染防止の観点からは必要な措置といえるが、自治体だけでやれることには限界がある。対策を進めるには、国などの財政支援が欠かせないだろう。

 犠牲者が30万人以上に上ると想定される南海トラフ地震が起きれば、京滋でも多数の避難者が出ると予想される。

 避難所についても近隣自治体同士の助け合いや広域連携を進めなければならず、共通の課題として感染防止に取り組む必要がある。

 新型コロナの感染対策支援の専門チームを派遣している日本環境感染学会などと連携し、感染防止のノウハウを習得しておくことも大事だ。

 梅雨入りなどで水害が起きやすい時期が近づいている。避難所のあり方を再点検しておきたい。