新型コロナウイルスを予防するワクチンの開発は世界中で急ピッチで進められている。世界保健機関(WHO)幹部によると3月末現在、候補は50を超す。米国と中国では臨床試験も始まった。

 完成への期待は高まるが、実際にワクチン開発を手掛ける医薬基盤・健康・栄養研究所の保富康宏霊長類医科学研究センター長は、実用化には「数年はかかる」と話す。

 国内では他にも複数の研究機関などが取り組んでいる。国立感染症研究所は遺伝子を組み換えたタンパク質のワクチンを開発中。東京大医科学研究所は「メッセンジャーRNA」と呼ばれる人工遺伝子を利用している。民間企業の田辺三菱製薬は、カナダにある子会社が開発に着手した。

 ワクチンは健康な人が病気を予防するためのものなので、効果はもちろん、安全性の検証が極めて重要になる。研究結果の評価にも慎重な姿勢が求められ、それが時間がかかる一因となっている。