新型コロナウイルス感染症への特効薬はなく、鎮痛剤の投与や酸素補給などの対症療法が行われるが、主に重症の肺炎患者を対象に、他の病気の治療に使われる薬を投与する試験が進んでいる。

 国立国際医療研究センター(東京)によると、注目度が高い既存薬は抗インフルエンザ薬「ファビピラビル(商品名アビガン)」、エボラ出血熱の治療薬候補「レムデシビル」、気管支ぜんそく治療薬「シクレソニド(オルベスコ)」、膵炎[すいえん]治療薬「ナファモスタット(フサン)」。同センターでは症状の重さによって薬を使い分けているという。

抗インフルエンザ薬「ファビピラビル(商品名アビガン)」(富士フイルム提供)
エボラ出血熱の治療薬候補「レムデシビル」(ロイター=共同)
気管支ぜんそく治療薬「シクレソニド(商品名オルベスコ)」(帝人ファーマのホームページから)
膵炎治療薬「ナファモスタット(商品名フサン)」(日医工のホームページから)

 新薬の開発も進行中だ。武田薬品工業は、回復した人の血液成分を濃縮して治療に使おうとしている。適切な投与のタイミングや、体への影響はまだ分からない。感染症治療に詳しい東京大医科学研究所の四柳宏教授は「きちんと臨床試験を行うことが必要不可欠だ」と話している。