脇田名誉教授

脇田名誉教授

 「仕事が無く、無収入」「解雇になり、求人も無い」。全国の弁護士や研究者らでつくる団体「非正規労働者の権利実現全国会議」が、新型コロナウイルス感染拡大の影響について非正規労働者や請負・委託の形態で働く人(フリーランス)にアンケートを行ったところ、仕事の減少などで日常生活が脅かされているといった不安の声が、多数寄せられた。正社員との待遇格差も浮かんでおり、同会議は安易な解雇や雇い止めの禁止や休業補償、労働者の安全確保などを求める提言書をまとめ、国に提出した。

 パートやアルバイト、有期雇用で働く人やフリーランスを対象に、3月18~31日にインターネットを通じてアンケートを実施した。全国から272件の声が寄せられた。

 イベント会場施行をしていた女性からは「イベント減少により正社員を優先するため、アルバイトは自宅待機となり、約2カ月間収入がなくなった」との声があり、旅行・観光業の女性は「全社休業につき非正規パート全員解雇」との実態が寄せられた。

 製造業補助の女性は「コロナにより帰休が増えた。社員には8割の給与があるが、パートには何もない」と正社員との格差を挙げた。職場の安全管理を問題視する回答もあり、物流管理を担当する女性は「正社員のみテレワーク。派遣は対象外。派遣のみ出勤している部署あり」と雇用形態によって差別があると指摘した。

 こうした声を踏まえ、同会議では、安易な解雇、雇い止めを規制▽賃金全額相当の休業手当を支払うよう指導▽フリーランスに対する安易な契約解除・打ち切りの制限▽安全確保措置について不合理な待遇差を設けないよう規制―といった提言をまとめ、今月6日に国に提出した。

 同会議代表幹事の脇田滋龍谷大名誉教授(労働法)は「非正規労働者やフリーランスは労組に加入していない人が多く、声を上げられない。今回寄せられた声は氷山の一角にすぎない」と指摘。「緊急事態宣言を受けて今後さらに同様の問題が広がる可能性が高い。国も率先して実態把握に努めてほしい」と訴える。
 同会議のホームページで引き続きアンケートを受け付けている。