都大路を進む祇園祭の山鉾。例年通りの巡行を中止する方向で調整が続いている(2019年7月17日、京都市中京区)

都大路を進む祇園祭の山鉾。例年通りの巡行を中止する方向で調整が続いている(2019年7月17日、京都市中京区)

 7月に行われる祇園祭の山鉾巡行で、今年は例年通りの巡行を中止する方向で関係者が検討を進めていることが16日、分かった。重要無形民俗文化財に指定され、日本三大祭りの一つに数えられる祭礼には例年、多くの観光客が詰めかける。新型コロナウイルス感染拡大の終息が見通せない中、従来通りの実施は困難だとして、祇園祭山鉾連合会が各山鉾町などとの調整を続けている。20日に記者会見し、方針を示す。

 京都三大祭りでは、葵祭「路頭の儀」(5月15日)が3月31日に中止をすでに発表している。祇園祭も新型コロナの影響で例年とは違う形での実施を余儀なくされた。

 山鉾巡行は、前祭(さきまつり)(17日)に23基、後祭(あとまつり)(24日)に11基の山鉾が出る。昨年の前祭には約12万人が訪れており、新型コロナウイルスの感染が拡大し続ける中での実施には、疫病退散への祈りから始まったからこそ強い懸念が出ていた。連合会は計34の保存会に対し、3月下旬以降、各町に対してアンケートを実施するなどして意見を求めていた。

 各町内からは、中止を求める声や例年通り実施したいとの思いも含めてさまざまな考えや要望が出されている。だが、「動く美術館」とも称される山鉾を見ようと訪れる人を抑えるのは現実的に難しく、巡行中止の方向で検討することになった。また、山鉾建てなどの関連行事をどのような形で執行するか、細部については今後検討を重ねるという。

 祇園祭は869年、疫病流行を受けた御霊会を起源に始まった。山鉾巡行の取りやめは、阪急電鉄の地下工事により中止された1962年以来58年ぶり。感染症との関わりについては、コレラが流行した明治時代に秋に延期したり、5月に実施したりしたことがあった。