自ら手作りし、希望者に届けるマスクを持つOSKの娘役トップの舞美りら。柄や色は劇団員によって異なるという

自ら手作りし、希望者に届けるマスクを持つOSKの娘役トップの舞美りら。柄や色は劇団員によって異なるという

自宅でマスク作りをする舞美。型紙や布を切るところから始めるという

自宅でマスク作りをする舞美。型紙や布を切るところから始めるという

公演のフィナーレで、OSK名物「桜咲く国」を歌い踊る劇団員たち。桜色の傘が、桜の花のように開く

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OSKの舞台で、歌い踊る娘役トップスターの舞美りら

OSKの舞台で、歌い踊る娘役トップスターの舞美りら

 新型コロナウイルスの感染拡大でマスク不足が続く中、OSK日本歌劇団(大阪市)は、自宅待機中の全劇団員がマスクを手作りし、施設や団体など希望者に無料で届ける活動を始めた。娘役トップスターの舞美りら(京都市上京区出身)も、公演に向けた自宅での自主稽古と並行しながら、マスク作りに取り組む。「一日でも早くみなさんが健やかに過ごせ、日常が戻るように、一つ一つ思いを込めて作っています」と語る。

 本来ならば躍動のダンスを大舞台で披露しているはずだった。OSKは、劇団最大の公演となる恒例の「春のおどり」を18~26日に大阪松竹座(大阪市)で開く予定だったが、感染拡大を受けて6日、延期を決定。劇団員は翌日から自宅待機を続けている。
 「春のおどり」に向けて、3月から稽古を重ね、通し稽古ができる状態まで仕上がっていた。舞美は「他の劇団さんの公演が中止や延期になる中、自分たちも稽古中、どうなるのかと心配でしたが、何とか作品を作り上げようと全員が心を合わせていました。大阪公演は今のところ、6月に延期ということなので、そこに気持ちをつなげています」と気丈に話す。
 現在は、全劇団員57人が自主稽古を重ねている。舞美も、通し稽古で撮影した映像を自宅で見ながら、歌やダンスを繰り返し復習している。「毎日、作品と向き合う日々。普段の稽古では、自分のことで精いっぱいになりがちですが、作品全体を客観的に見られる時間となり、気づきも得られる」と前向きに捉える。
 マスク作りは、稽古と並行しながら「マスク不足の一助になるように」と劇団が企画。ガーゼや布などの材料一式を劇団側が各劇団員の自宅に送り、劇団員がミシンや手縫いで裁縫。完成したマスクは劇団に集めて、消毒を施した後、希望する施設や団体などに発送する。劇団員の手書きのメッセージカードも添える。
 舞美は京都の二条城近くに生まれ育ち、2010年にOSKで初舞台を踏んだ。幼い頃からバレエで培った表現力豊かなダンスに定評があり、17年末から娘役トップを担う。公演時の頭飾りを自ら手縫いで作ることもあり、「繊細な手作業は苦になりません」。
 型紙に合わせて布を切り、ミシンで縫って、ゴムひもを付ける作業を続ける。「最初は1枚40分ぐらいかかりましたが、要領をつかめば、もっと早くできるはず。マスクは洗濯をすれば繰り返し使えるので、誰かに大切に使って頂けると信じて、今は一生懸命作るだけです」と話す。