上海から届いた千枚のマスクを町内会に寄贈した張さん(右から2人目)=京都市伏見区

上海から届いた千枚のマスクを町内会に寄贈した張さん(右から2人目)=京都市伏見区

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、マスクの入手は依然困難な状況にある。そんな中、一足早くマスクの供給が回復しつつある中国から、個人による支援が京都にも届き始めた。


 中国・上海から京都市伏見区に移住した中国人女性がこのほど、現地から取り寄せたマスク千枚を地元町内会に寄贈した。住民に全戸配布される予定で、女性は「政府に頼るのではなく、民間の人々が協力し合えばきっと乗り切れる」と力を込める。

 張桜旎(チョウ・エイニイ)さん(30)。花器の輸出入ビジネスを立ち上げるため、今年2月に来日。伏見稲荷大社北側に住み始めた。
 
 近所の会社員女性に声を掛けられたことをきっかけに、前町内会長の酒井数雄さん(72)らを紹介された。親交を深めるうちに、「近所の多くの人に親切にしてもらい、皆さんのことをもっと知りたい」と思うようになり、北境内町内会に加入した。
 
 コロナ感染が拡大し、マスクが不足している日本の状況を見た張さんは「皆さんに恩返しがしたい」と、寄贈を思いついた。上海では供給が安定してきていることから、以前、薬局で働いていた現地の母親に依頼。医療従事者用のマスクを購入してもらい、送ってもらった。
 
 同町内会には69世帯229人が加入し、1世帯当たり14枚のマスクが配布される、という。中田幹男会長(71)は「今、一番必要なものを寄贈してもらい、本当にありがたい」と喜ぶ。張さんも「これを機に、皆さんとの縁をより深めていきたい」と話している。