滋賀県警

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 湖東記念病院(滋賀県東近江市)で患者を死亡させたとして滋賀県警に逮捕され、殺人罪で懲役12年の判決を受けて服役した元看護助手西山美香さん(40)が3月、大津地裁での再審で無罪判決を受けたことについて、県警の滝澤依子本部長は17日の定例会見で「真摯(しんし)に受け止める」などと述べ、謝罪などはしなかった。


 西山さんは「謝罪せず、不当捜査への見解も示さない姿勢にあきれる。このままでは、また冤罪(えんざい)が生まれるのではないか」と批判している。
 本部長の会見は2日の再審判決確定後、初めて。県警記者クラブの代表質問で幹事社が、西山さんへの謝罪はないのか▽取り調べなどの捜査は適切だったか▽冤罪を生まないよう再発をどう防ぐか-について繰り返しただした。
 県警の広報担当者が質問をさえぎろうとする中、滝澤本部長は挙手をして立ち上がり、無罪判決について「真摯に受け止め、今後の捜査に生かしたい。一同その思いで取り組んでいきたい」と話したが、西山さんへの謝罪や再発防止策などについては答えなかった。質問は記者クラブが7日に通告したが、県警は「個別事案には回答しない」として拒否していた。
 再審の井戸謙一弁護団長(66)は「無罪判決が出た以上、組織のトップがけじめをつけなければならない。判決のどこを真摯に受け止め、どう捜査に生かすか全く分からない。改善を目指すならば、まずは謝罪だが今の対応では『自分たちは悪くないから謝りたくない』という心根が透けて見える」と指摘した。
 3月の大津地裁判決は、患者の死亡について、そもそも殺人事件でなかった可能性が極めて高いと判断、西山さんの「自白」の信用性や任意性を否定し、取り調べ刑事への恋愛感情を利用して自白を誘導するなどした県警の捜査の不当性を認めた。