カニを放つ住職(京都府木津川市・蟹満寺)

カニを放つ住職(京都府木津川市・蟹満寺)

蟹供養放生会を営む中野住職(京都府木津川市・蟹満寺)

蟹供養放生会を営む中野住職(京都府木津川市・蟹満寺)

 「今昔物語集」にあるカニの恩返しの説話で知られる木津川市山城町の蟹満寺(かにまんじ)で18日、蟹供養放生会が営まれた。今年は新型コロナウイルス拡大防止のため、参拝者なしで行われたが、住職が境内にサワガニを放ち、命の恵みに感謝した。

 説話は、農家の娘に助けられたカニが、ヘビからの求婚を受けた娘の窮地を知りヘビと一晩中戦い、退治したというもの。その時死んだカニとヘビを弔い、観音堂を建てたのが蟹満寺の起源とされている。

 放生会では、中野泰倫住職が本堂で護摩をたいた後、毛ガニやマツバガニが供えられた蟹供養塔前で読経し、ちょうず鉢にサワガニ50匹を放った。中野住職は説話を読み上げ、震災被災地の復興や新型コロナウイルス感染者の早期回復などを願った。「京都も緊急事態宣言が出されたが、一日も早く疫病が収束し、例年のようにお参りいただけるようになれば」と話し、静かに手を合わせた。