2階で見つかった犠牲者の位置とベランダへの避難行動

2階で見つかった犠牲者の位置とベランダへの避難行動

 京都市伏見区桃山町因幡のアニメ製作会社「京都アニメーション」第1スタジオが放火され、36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件で、2階で見つかった全犠牲者11人は、ベランダに出られる四つの窓のうち、一つの窓の直近に集中して倒れていたことが、関係者への取材で分かった。生存者の証言によると、この窓だけが何らかの原因で開かなかった可能性がある。事件は18日で発生9カ月を迎えた。
 市消防局の説明では、ベランダ側には南北に四つの窓が並んでいた。いずれも引き戸で、高さ約180センチ、幅約180センチ。
 関係者によると、犠牲者たちは北から二つ目の窓のすぐ前にある机と棚の間でかたまって倒れていた。
 2階では出火直後に、北から三つ目の窓から5人がベランダに逃れた。続いて北端の窓から18人が脱出した。これらの人は、飛び降りるなどして全員が屋外に出られた。
 一方、北から二つ目の窓からベランダに出た人は2人にとどまった。うち1人は、この窓が完全には開かなかったことや、窓の隙間から呼吸していたところ、火熱で窓が割れてかろうじてベランダに出たという内容を証言したという。
 総務省消防庁の火災シミュレーションでは、出火60秒後には黒煙と100~300度のガスが2、3階のフロア全体に充満し、2階の社員はごく短時間で避難困難な状況に陥っていたとする結果が出た。北から二つ目の窓が開放できなかったことで、この窓を目指した社員が煙と高温ガスに巻き込まれた可能性がある。
 3階では、屋上へ通じる階段に犠牲者20人が集中し、うち5人は屋上に出る扉の手前まで到達していたことがこれまでの取材で判明している。2階の犠牲者11人の詳細な位置関係が分かったことで、この階でも多くの犠牲者が脱出寸前だった状況が明らかになった。