日下部鳴鶴が80歳を祝う宴のためにしたためた大作(彦根市・彦根城博物館)

日下部鳴鶴が80歳を祝う宴のためにしたためた大作(彦根市・彦根城博物館)

 彦根藩出身で近代の代表的な書家、日下部鳴鶴(めいかく)(1838~1922年)の企画展が、彦根城博物館(滋賀県彦根市)で開かれている。現在用いる楷書の源流とされる力強い作品や、清国で筆談した際の書類など30点が展示されている。

 鳴鶴は明治維新後、官僚になったが、信頼されてきた大久保利通の暗殺後に職を辞し、本格的に書の道に進んだ。来日した清国公使の随員から中国の書体を学び、54歳で清国に遊学。身につけた楷書は、日本の一般の書体の基礎となった。

 門人200人以上が集まった鳴鶴80歳の宴(うたげ)で掛けた自筆の書は、高さ1・8メートル、幅90センチの大作。年齢を感じさせない力強い揮毫(きごう)で、「笑共同人」「壽」などと楽しげな字をしたため、晩年の代表作となった。

 清国への遊学時に文化人や書家と筆談した際のメモや、南京での宴で詠んだ詩を彦根に帰省してから書き起こした作品もある。8日まで。要入館料。問い合わせは同博物館0749(22)6100。